大相撲春場所 稀勢の里が逆転で連覇
手負いの新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が優勝決定戦で、大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)を小手投げで下し2場所連続優勝を果たした。
稀勢の里は照ノ富士を1差で追う展開だったが、本割で照ノ富士を突き落として13勝2敗で並んで優勝決定戦へ持ち込んだ。
稀勢の里は13日目、日馬富士戦で左肩付近を痛めながら強行出場。横綱昇進後最初の場所で意地を見せ、昇進後初優勝を決めた。新横綱の優勝は貴乃花以来22年ぶりとなる。(日刊スポーツ)
見事でした。
新横綱で重圧のかかる中、12日目までは白星街道を続けるも、13日目の日馬富士との取組で負傷し、14日目の鶴竜にも敗れ2敗となり、照ノ富士と1差となった中での本割での直接対決を制し、さらに優勝決定戦でも勝利し奇跡の逆転優勝。見事でした。
正直なところ連敗した段階で無理だと思っていたんですがね。横綱とは言え調子を落としていた日馬富士、鶴竜に敗れた段階でかなり状態が悪いと思っていたのですが、そこからの照ノ富士連破。恐れ入りました。
先場所優勝後の横綱昇進の際に「鶴竜の昇進のときに2場所連続優勝という制限はなくなったけど、優勝1回で昇進は…」という風に思っていた面がわずかながらあったので、2場所連続優勝という結果を出してくれたことは本当に良かったと思います。
おめでとうございます。
後は気になった力士を少々…
・鶴竜…10勝5敗
・日馬富士…10勝5敗
両横綱とも状態はよろしくなかったものの、10勝に乗せたのは立派だと思います。
稀勢の里にもしっかりと先輩横綱の意地を見せたということでまだまだ盛り上げてくれることを期待します。
・白鵬…2勝3敗10休
立て直してくれることを祈ります。
この人にはそれだけしかないです。
・豪栄道…1勝5敗9休
4大関から2大関に一気に減り、その東ということで活躍を期待してたのですが、残念ながらこの結果に。
カド番になりますが、まだまだ落ちる力士ではないはずですので期待します。
・照ノ富士…13勝2敗(優勝同点)
先場所負け越してからのカド番ということで大関陥落がかかっていた場所でしたが、最後まで優勝争いをしたのは立派でした。ですが、14日目の琴奨菊戦での変化が照ノ富士バッシングのきっかけになって逆転優勝を許す流れになってしまったのかと思われます。
ただ、ここまでの8場所で負け越してカド番⇒勝ち越してカド番脱出⇒…という繰り返しになっており、来場所はジンクスとしては負け越す場所ということになるわけで。なんとかこのジンクスを破ってくれることを期待します。
・琴奨菊…9勝6敗
大関陥落場所で10勝に星1つ届かず再昇進ならず…残念。しかも、照ノ富士の変化による6敗目…ということもありましたからね。
しかし、三役で勝ちこせる力はまだ有りますので、再昇進に向けて切り替えていって欲しいと思います。
・玉鷲…8勝7敗
先々場所10勝、先場所9勝と厳しいながらも大関昇進がかかる場所では有りましたが8勝7敗と一歩後退。それでも三役で3場所連続しての勝ち越しは大変なことです。
幕内エレベーターから三役定着とランクアップ…まぁ遅咲きのためそれ以上のものは厳しいかもしれませんががんばって頂きたいです。
・高安…12勝3敗(殊勲賞)
新横綱である兄弟子の稀勢の里の陰には隠れてますが、今場所は10日目まで連勝。日馬富士、鶴竜の両横綱に敗れたものの2大関を破る12勝3敗。横綱相手の勝ち星は有りませんでしたが、高安が照ノ富士を下していなければ稀勢の里の優勝もなかったということで、そういった意味での殊勲賞であったのかなとも思います。
※ というか、横綱相手に勝ち星をあげた関脇以下の力士が殆ど負け越しているというのがなんとも…
さて、先場所11勝、今場所12勝で大関にリーチがかかりました。夏場所で10勝以上したら3場所合計で33勝…関脇3場所連続で33勝だったらまず問題はないと思います。
大関取り、期待してます。
・御嶽海…9勝6敗
先場所技能賞で小結に戻ってきた場所での9勝6敗の勝ち越し。三役での勝ち越しというのは大変なことですのですばらしいですね。
問題は今場所3関脇が全員勝ちこしているので、番付的にはどうなってしまうのでしょうか…まさかの4人関脇になるとか…
その点も楽しみです。
※ 過去には平成12年初場所のように4関脇ということも有りました。
※ 先場所に貴ノ浪が大関から陥落、武双山が小結で10勝したので関脇4人ということに。
※ 東小結で勝ち越しても関脇に上がれなかったことのある土佐ノ海という例もあるのでなんともいい難いですが…
・蒼国来…4勝11敗
・貴ノ岩…6勝9敗
先場所三賞で自己最高位に昇進も、残念ながら負け越し。
三役への再チャレンジに期待します。
・大栄翔…11勝4敗
・貴景勝…11勝4敗(敢闘賞)
大栄翔が東前頭11枚目で11勝4敗。貴景勝が東前頭13枚目で11勝4敗。直接対決は大栄翔の勝ちなのに敢闘賞が貴景勝だったのはどんな判断基準だったのかなぁ…とちょっぴり思いました。
・貴源治…4勝3敗(幕下) 西幕下筆頭
貴乃花部屋の西幕下筆頭貴源治が勝ち越して新十両をほぼ確定。貴乃花部屋では貴ノ岩に続く10代関取が確実視されてます。
まだまだ強くなること、期待しています。
・豊ノ島…1勝5敗1休(幕下) 東幕下2枚目
早く戻ってきてください。
・駿馬…6勝1敗(幕下) 東幕下51枚目
35歳で幕下初昇進という最高齢記録を作った力士が6勝1敗と大きく勝ち越し。この年齢でさらに強くなっているということでしょうか…恐ろしいです。
彼は間垣部屋で入門し伊勢ヶ濱部屋に移籍したということで照ノ富士の先輩で有り付き人である力士。照ノ富士に「大関らしくしてください」と言える相談役がこの年齢から関取を目指す場所に来た…なんか胸が熱くなりますな。
是非とも最高齢関取昇進の記録を作って欲しいものです。
・錦富士…3勝4敗(三段目) 東三段目19枚目
・翠富士…5勝2敗(三段目) 西三段目19枚目
先々場所、先場所と序の口、序二段で全勝同士の相部屋優勝決定戦を演じた2人ですが、残念ながら今場所はついに敗戦してしまい、3場所連続ということにはなりませんでした。
しかも、両者に土をつけたのが對馬洋(西三段目21枚目)という同じ力士というところにやはり縁を感じました。
2場所連続優勝だった錦富士が負け越し、優勝同点だった翠富士が勝ち越したというのもなんか複雑な感じがしますが…両力士ともがんばっていただきたいと思います。
とりあえずこんな感じです。
来場所も期待したいと思います。