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稀勢の里 第72代横綱へ…

 大相撲初場所で14勝1敗で初優勝を遂げた大関稀勢の里(30)(本名・萩原寛ゆたか、茨城県牛久市出身、田子ノ浦部屋)について、日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(守屋秀繁委員長=千葉大名誉教授)は23日、東京・両国国技館で会合を開き、全会一致で第72代横綱に推薦することを決議した。(読売新聞)

 

 ということで、稀勢の里横綱昇進がほぼ決定いたしました。

 

  日本出身力士としては若乃花横綱昇進して以来約19年、日本出身力士の横綱が誕生しなかったのですよね…非常に長かった感がします。

 

 さて、横綱昇進に関しては「2場所連続優勝かそれに準じる成績」という内規がありましたが、1987年末に横綱双羽黒が優勝ゼロのまま廃業という事態がおこったため、そこまでに昇進していた大乃国よりあとの大関に対しては「2場所連続優勝」という縛りが行われ、3年前に鶴竜が優勝同点(優勝決定戦で敗北)⇒優勝という流れで久しぶりに2場所連続優勝以外の力士が横綱昇進したわけですが…1988年以降に「大関で2場所連続優勝かそれに準じる成績(但し、1場所は優勝)」をあげた力士を並べて見ますと…

 90年7月 旭富士2場所連続優勝で横綱昇進

 93年1月 2場所連続優勝で横綱昇進

 94年11月 貴ノ花2場所連続優勝で横綱昇進

 97年1月 若乃花優勝同点⇒優勝横綱昇進ならず

 98年5月 若乃花2場所連続優勝で横綱昇進

 99年5月 武蔵丸2場所連続優勝で横綱昇進

 02年7月 千代大海優勝次点⇒優勝横綱昇進ならず

 03年7月 魁皇優勝次点⇒優勝横綱昇進ならず

 04年11月 魁皇優勝⇒優勝次点横綱昇進ならず

 07年5月 白鵬2場所連続優勝で横綱昇進

 12年9月 日馬富士2場所連続優勝で横綱昇進

 14年3月 鶴竜優勝同点⇒優勝横綱昇進

 17年1月 稀勢の里優勝次点⇒優勝横綱昇進

※ 91年9月の琴錦(平幕優勝⇒小結で優勝次点)、02年3月の栃東(関脇で優勝次点で大関昇格⇒優勝)、06年7月の白鵬(関脇で優勝で大関昇格⇒優勝次点)は除きました。

  13回のうち、2場所連続優勝という文句なしでの横綱昇進が7回。問題の6ケースのうち横綱に昇進しなかったケースが若乃花1回、千代大海1回、魁皇2回。若乃花は後に連続優勝して横綱になりましたが、千代大海魁皇に関しては双羽黒以前でしたら横綱に昇進していた…勘定になります。

 そうであったら相撲界の歴史はもう少し変わっていたのではないか…そんな気がしないでもないです。

 

 話題になりがちな小錦については優勝、優勝同点、優勝次点が連続することがなかったので、記載はありません。

 

 ということで、今回横綱に推挙される稀勢の里には、横綱に上がれなかった先人の分もがんばってもらいたいものです。

 最低でも魁皇の優勝5回。ここまでは達成して欲しいものです。

 期待しております。

 

[追記 1]

 追加で気になったのが、昇進できなかった4ケースと、鶴竜稀勢の里のケースの勝ち星を比較してみました。

 

 97年1月 若乃花、優勝同点(11勝)⇒優勝(14勝) 25勝

 02年7月 千代大海、優勝次点(11勝)⇒優勝(14勝) 25勝

 03年7月 魁皇、優勝次点(11勝)⇒優勝(12勝) 23勝

 04年11月 魁皇、優勝(13勝)⇒優勝次点(12勝) 25勝

 14年3月 鶴竜、優勝同点(14勝)⇒優勝(14勝) 28勝(横綱昇進)

 17年1月 稀勢の里、優勝次点(12勝)⇒優勝(14勝) 26勝(横綱昇進)

 

 25勝と26勝の間できっちり差ができてるので、今後の横綱昇進の目安としては、

 1. 直前2場所が大関

 2. 2場所連続優勝直前2場所で1場所は優勝し、2場所合計の勝ち星が26勝以上

 こんな感じできっちりやれば文句も出ないんじゃないかなぁ…とは思いますがいかがでしょうかね?

 

[追記 2]

 過去の横綱昇進力士(1場所15日制以降)で、昇進直前の2場所1場所は優勝したけど2場所合計25勝以下の横綱と、2場所とも優勝してない横綱も調べて見た。

 51年9月 千代の山 8勝 14勝(優勝) 合計22勝

 58年3月 若乃花(初代) 12勝(次点) 13勝(優勝) 合計25勝

 59年5月 朝潮 11勝(次点) 13勝(次点) 合計24勝

 61年11月 柏戸 11勝 12勝(同点) 合計23勝

 70年3月 玉の海 10勝 13勝(同点) 合計23勝

 78年7月 若乃花(2代目) 13勝(同点) 14勝(同点) 合計27勝

 79年9月 三重の海 13勝(次点) 14勝(同点) 合計27勝

 86年9月 双羽黒 12勝(次点) 14勝(同点) 合計26勝

 87年7月 北勝海 12勝(優勝) 13勝(次点) 合計25勝

 87年11月 大乃国 12勝(次点) 13勝(次点) 合計25勝

※ 日付は横綱としての最初の場所

 

 このなかで、全キャリアの中で2場所連続優勝1場所優勝で前後の場所に準優勝(同点、次点)をクリアしていなかったのが朝潮双羽黒大乃国の3名。

 ただ、朝潮、大乃国に関しては3場所前に優勝しているということで、翌場所が勝ち星の少ない優勝次点だったので保留されていたもののまた優勝次点だったので昇進条件をクリアしたという見方もできるので、まぁ資格ありと見まして…

 

 やはり横綱昇進については双羽黒という黒歴史は非常に深いな…と思うわけで。

 逆に横綱になっていなければこの歴史もどうなっていたかわかりませんが。