加藤一二三九段 引退へ
日本将棋連盟の史上最年長棋士として現役を続けている将棋の加藤一二三(ひふみ)九段(77)の引退が19日、決まった。63年前にデビューし、名人などのタイトルを獲得してきた名棋士。この日、自身の対局はなかったが、競争相手の棋士が勝ったため、棋士の序列を決める「順位戦」で最も下位のクラスからの陥落が確定した。(読売新聞)
遂にこの時が来てしまいました。
昨年に藤井聡太三段に抜かれたものの、それまでの最年少棋士の記録を持っていたのが加藤一二三九段であり、それから史上最高齢棋士になるまでの長い間将棋界で活躍をされていたのですが、今季C級2組で3つ目の降級点が付き、フリークラス棋士の引退規定である65歳を大幅に超えていることもあり、引退が決定しました。
2001年のシーズンまではA級に在位してましたが、それ以降は…
2002年~2003年 B級1組
2004年~2008年 B級2組(降級点2で降級)
2009年~2013年 C級1組(降級点2で降級)
2014年~2016年 C級2組(降級点3で降級)
と組を下げていってしまい、C級2組では3年連続で降級点が付き降級ということになってしまいました。
実のところ、昨年の藤井三段の昇格の際にこの懸念をしていました。
加藤一二三九段は現在C級2組で降級点2。今年のシーズンで降級点がつくとフリークラスに降格で引退扱いとなり、リーグ戦で藤井新四段との対戦がなくなってしまいます。77歳シーズンでの現役棋士という史上最高齢棋士となることも断たれてしまいます。
19世紀生まれ、20世紀生まれ、21世紀生まれの3世代棋士との対戦をすべく、何とか踏みとどまっていただきたいものです。
ところが、
幸いにして竜王戦の順位戦という公式戦の場があったので藤井四段との史上最高齢vs史上最年少の対決が実現しましたが…名人戦の順位戦での対局がなくなったこと、非常に残念です。
本当にお疲れ様でした。
で、1月20日現在で加藤九段のツイートはないのですが…このようなツイートをなされています。
ひふみんの夢は123歳を迎えるまでは将棋文化の普及発展に最大限の尽力そして貢献をすること。14歳も77歳も同じ土俵で嘘偽りない真剣勝負を繰り広げられる将棋の奥深い世界へ、世の皆様をいざなうまでは、ひふみん立ち止まってなんかいられません。将棋界の明るい未来を築くべく、歩み続けます。
— ひふみん@4/17講演会よみうりホール (@hifumikato) 2017年1月18日
これからのご活躍、期待しております。
[追記]
よくよく考えて見ると、これだけの偉業をなされた方なのですがタイトルにそこまで恵まれていたわけではないので、この方の名を残す「永世○○」とか「名誉○段」とかって称号には値してないんですよね。
※ 永世竜王…連続5期か通算7期
※ 永世王将…通算10期
※ 永世棋王…連続5期
※ 永世王位、名誉王座…連続5期か通算10期
※ 実力制歴代名人(称号)…3期以上名人位にあった引退者
引退後の称号として何らかの形で「十段」になる規定を制定することができないでしょうかね。過去にはタイトルとして「十段(現:竜王)」というものがありましたが…
いかがなものでしょうかね?
まぁ、そういったものがないところが愛されている部分でもあると思うのですが…
[追記 2]
と書いた矢先に…
現役引退が決まっている将棋の加藤一二三・九段(77)は20日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第88期棋聖戦2次予選で飯島栄治七段を破り、77歳0カ月の最高齢勝利記録を達成した。これまでの記録は、故丸田祐三・九段の76歳11カ月。
歴代3位の通算勝利数もこれで、1324勝(1173敗)となった。(共同通信)
引退が決まっていても勝利を取りに行く…本人には当たり前なのかもしれませんがすばらしいです。
残りはタイトル戦のみですが、全部敗退するまで現役の棋士ということで、少しでも長い間の活躍を期待しております。