陽岱鋼 FA権行使を表明
北海道日本ハムファイターズの陽岱鋼選手(29)が11月7日(月)、札幌・豊平区の球団事務所を訪れ、今シーズン途中に取得した国内フリーエージェント(FA)権行使、他球団への移籍を目指すことを表明しました。(ファイターズ公式)
ということで、とうとう陽岱鋼選手がFA権の行使を表明しました。
陽岱鋼選手のコメントがこちら。
「日本一になってファイターズでまだやりたい気持ちもありますが、若い人が中心のチーム。11年やってきて自分の獲得した権利でもあり、残り少ない野球人生、まだまだ成長していけると考えて1週間悩みました。自分と家族、球団がいい方向に向かうために昨日(行使を)決めました」
切ないですな。
ファイターズという球団は、育成でつくっていくチーム。どんなに功績を挙げた選手でも公正に若い選手と競争させる…それが今の若いチームを作り上げているわけですが、ある程度実績を上げた選手からすると厳しいものに感じられるのかな…と思ってます。
昨日もツイッターで書きましたが、
FAの選手の引き止めに球団が金を積まないことについて冷淡だとか非情とかいうけど、球団に金が無尽蔵にあって、ケチで使ってないと思っているのかね。特定の選手贔屓してそうでない選手に皺寄せを食らわせてまで金を積めとでもいうのですかね。
— ざわ (@zawayoshi) 2016年11月7日
実際球団運営も企業運営の一環でありますからね。その面をシビアにやっていかないといけないと思うわけです。
で、このタイミングでのFA宣言なんですが…
陽岱鋼、ぶっちゃけ今年の評価で言えば、ソフトバンク戦のあの守備があったとはいえ、微増か現状維持だったと思う。それに対して、他球団の評価が非常に高いとなれば他球団に行くのは仕方ないとは思ってます。
— ざわ (@zawayoshi) 2016年11月7日
という風には感じております。
他球団から複数年10ナン億という提示をされ、ファイターズから微増or現状維持なんて話になったらよっぽどでもない限り移籍という形になるんじゃないかな…とは思います。
その状態で球団になんとしてでも引き留めをしろと言うのは…ファンのために経営を圧迫してまで10ナン億をひねり出せということなのをわかってないのかな…と思うわけで。
ファイターズが今回のFA戦線に参加するだけの金をどうやって用意するのさ。そこまでいうならクラウドファンディングで金集めて球団に「陽岱鋼選手のFA資金です!」って寄付すればよかったんですわ。まぁそれでもウン億も集まらないだろうけど。
— ざわ (@zawayoshi) 2016年11月7日
まぁ、こう思うわけです。
ファイターズのチーム作りについて4年前に山田正雄GMのインタビュー記事がありました。
予算内で、効果的な編成をするために、ファイターズは2004年、GM補佐としてフロント入りをした吉村浩(現在は統括本部長)を中心に、BOS(ベースボール・オペレーション・システム)というシステムを構築し、一人一人の選手を誰もが把握できるよう、数値化することを試みた。チームの選手、他球団の選手、アマチュアの選手をすべて数値化することで、効果的な比較ができる。山田GMがこう話す。
「今、ウチにいる選手と、これからドラフトにかけようという選手を同じ指標で比較できます。だから、ドラフトで獲りたい選手がファームの試合に出られるレベルにあるかどうかをチェックできるんです。ウチが育成枠を使っていないのは、育成というシステムが未知数だということもありますが、それよりも彼らのレベルではプロの試合に出られないからなんです。たくさん選手を獲っても、それだけのお金がかかりますし、人数が多すぎて試合に出られないということになったら本末転倒でしょう。ウチは獲った後、一定のレベルに達したら、ファームのレギュラーとして1年間、使うという方針ですから、今のファームの試合数から考えると、育成枠の選手までは使いきれない。打てる、打てないに関係なく、1年間、ファームのレギュラーとして試合に出る力のある選手だけを獲るんです」(スポルティーバ・2012年10月27日)
こういった考え方の方から話を聞いていたんですが、
毎年優勝するならどんだけ金使わなきゃいけないんだか。という話を球団関係者から聞いてるんで、毎年優勝することはかなり厳しいと思ってます。それでも新しい選手がどんどん出てきて新陳代謝を促進し、チームが活性化しているのはいいことだと思うんですがいかがでしょうか?
— ざわ (@zawayoshi) 2016年11月7日
FAで金をかけず、若手の育成による底上げでチームを作り上げる。そういったチームで日本一になれたことってすごく痛快なことだと思うんですがね。
— ざわ (@zawayoshi) 2016年11月7日
そう思わない?
昔は毎年毎年勝て、優勝してくれと思ってましたが、この思想を聞いてからチームを複数年で見ることができるようになりました。それでも毎年のようにAクラスになっているチームですからね…圧倒的に強いチームではないですがいいチームではあるとは思っております。
ということで、私は陽岱鋼選手に対して「何で出て行くんだ!裏切り者!」なんて言いませんし、球団に対して「何でもっと岱鋼に金をかねないんだ!」「選手に冷淡すぎる!」なんていいません。
自称熱いファンの方々から言わせると枯れたファンと思われるかもしれませんが、
「これまでファイターズでの貢献ありがとうございました。
うちは若いのを育ててなんとかやりくりするので心配しないでください。
そちらも大変だろうけど活躍を期待してます。ただしファイターズ以外で。
でも、もし他球団の条件を聞いて、それでもファイターズがいいと思い、残ってくれたら大歓迎いたします。」
こんな感じです。
陽岱鋼選手の選択を尊重します。そして、次のステージ…他球団か、ファイターズでの第2ステージかわかりませんが、活躍をお祈りしております。
あと、この件でひとつ球団に対していただけないのが、
「今シーズン途中に取得した国内フリーエージェント(FA)権行使、他球団への移籍を目指すことを表明しました。」
100%移籍決まったわけじゃないんだから、そう書くなよー。交渉しないって言ってるようなもんじゃないか…
せめて建前でも移籍前提での話を書かないでくれよ…。
そう思いました。